ODA大綱の改定に思うNPO/NGOの役割

2月10日(火)、ODA大綱の改定が閣議決定された。

政府開発援助(ODA)大綱の見直しについて(外務省HP)

改定された大綱は「開発協力大綱」という名称となり、
これまでよりも国益を押し出した方針となったことに
加え、「非軍事目的」には限られるものの、他国軍への
支援という行為が歴史上で初めて認められたこととなる。

様々な見方があるが、「非軍事目的」という線引きは
非常に曖昧で、どのようにして歯止めをかけるのかには
大きな疑問が残るというのが、一般的な見解のようだ。

個人的にも、非軍事の目的がどれだけ徹底されるかは
非常に不安だ。でもそれ以上に、これだけ重要な決定が
十分な議論もなされずに決定されてしまった感が
あるということに、背筋が寒くなるような思いがする。

また、さらに残念なのは、この改定が世間であまり
関心を引いていないように感じるとともに、僕の周りの
NPO関係者の間でもさほど話題になっていないということだ。


NPOの中でも、国際協力分野の活動を行う団体は
NGO(Non-Governmental Organization)と呼ばれる。
日本におけるNGOは、ODAの担い手であると同時に、
その名の通り、政府ではない立場から、政府の国際協力の
方針などに対して意見する役割を歴史的に担ってきた。

今回も、国際協力NGOセンター(JANIC)が取りまとめる形で、
いくつかの国際協力NGOが以下のような声明を共同で出している。
こちらの声明については、ぜひとも読んでもらえたらと思う。

開発協力大綱の閣議決定に対する国際協力 NGO の緊急声明


さて、僕が最近少し感じている違和感は、こんなことだ。

21世紀になって設立された若い世代のNPO/NGOは、
こうした政治的見解からは距離を置いているように感じる。
今回、国際協力NGOセンターがODA大綱の改定に伴う集会を
開いた際も、そこに集まった参加者の大多数は50代以上の
世代で、若い世代の団体からの出席者は僕1人だった。

「社会起業家世代」とも言える若い世代のNPO/NGOは、
企業などのビジネスセクター、さらには行政セクターとも
積極的に協働をするという姿勢をどんどん強めている。

この姿勢はとても素晴らしいことだけど、一方で、そうして
セクター間の距離が近づいた結果として、体制に対して
「NO」と発言することや、政治的な見解を主張する
ことを避けるような傾向が出てきているようにも感じる。

NPO/NGOが活躍するセクターは「市民セクター」とも
呼ばれ、政府や企業とは異なる立場で意見を表明すると
いう行為は、NPO/NGOだからこそできることなのだ。

自分も含め、若い世代のNPO/NGOは、これまで
様々な形で体制の側と戦ってきた先輩たちを見習って、
市民セクターを担う者としての責任と役割について、
もう一度見直すべき時が来ているのではないかと思う。

そうでなければ、誰も政権に「NO」と言えなくなってしまう。

難しい局面だとも思うけど、今こそ市民セクターとしての
NPO/NGOが、本来の役割を果たすべきなんだと思う。

少しでも、世界が良い方向に動いていくことを祈りたい…

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。

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