創発的破壊

ここのところ「若者の情熱で…」とか「C世代が…」とか、何かと若者世代の力を
強調するような言葉を発し続けている自分だけど、起業してからというもの、幸運にも、
こんなにカッコいい大人が日本にいたのかと思えるような尊敬できる人物にも出会っている。

その一人が、一橋大学イノベーション研究センター長の米倉誠一郎先生だ。

彼は、若者の無謀な挑戦を大いに応援してくれる、最高の大人だと思う。
実は先日、嬉しいことにクロスフィールズの特別顧問にも就任して頂いたのだが、
その時に頂いた応援メッセージは、すごく過激で、そして前向きなものだった。

米倉先生からのメッセージ

米倉先生の言説は、極めて前向きで、シンプルで、そして力強い。
今日は、そんな先生が最近書かれた著書を紹介したい。

後ろ向きな言葉は一切ない、最高にカッコいい本だ。

創発的破壊 未来をつくるイノベーション創発的破壊 未来をつくるイノベーション

稚拙な文章しか書けない自分が感想を書くことは本当に恐縮だが、
一方で、ぜひ自分の学びを確かにするためにも文章にしておきたいとも思い、
特に自分の胸に刺さったメッセージを、自分なりの言葉で紹介したい。


危機とは最大の変化を起こすチャンスである

少子高齢社会の深刻化、リーマン・ショック、そして東日本大震災と、いま、
日本社会はこれまでに経験したことのないような沢山の大きな危機に直面している。

これだけの危機に直面した状況においても、「経済が元通りになるには何年かかるのか」といった
疑問の声が聞こえているが、米倉先生に言わせれば、「元に戻らないし、戻してもいけない」のだ。

まだ使える自動車を数年で乗り換え、デジカメや携帯を何台も持ち、地球資源を犠牲にしながら
成長することを追い求めるような社会に戻るという後ろ向きの発想ではなく、
過去の延長線上にはない「新しい資本主義を創る」という気概こそが、求められている。

古い価値観を捨て、新しい時代を読み解く思考枠組みの大転換が、今こそが必要だ。


いまの日本に求められるのは「創造的破壊」ではなく「創発的破壊」

シュンペーターが唱えた、古い秩序を破壊して新しい秩序を創る「創造的破壊」とは、
少数の強烈なリーダーによって引き起こされることが連想される動きである。

しかし、アラブで現在進行形で起きているジャスミン革命とは、FacebookやTwitterを活用し、
特定のビジョンに向かって、個々人が小さな行動を起こしていくことで引き起こされている。
この革命には、強力なリーダーや革命組織は存在しておらず、主役は一人ひとりの個々人だ。

こうした個々人による革命を、米倉先生は「創発的破壊」と呼ぶ。

現在の日本社会は、経済・政治・社会・教育、あらゆる分野に課題を抱えている。
そして、一つ一つの課題が極めて複雑で、既存の仕組みで解決できるものではない。

こうした状況だからこそ、一人の英雄が現れて全ての問題を解決するのではなく、
無数のエンジニアやマーケター、そして社会起業家たち一人ひとりが
「創発的破壊」を多発的に起こしていく方法でこそ、日本は変われるのだ。

今の日本は課題が溢れる時代ではあるけれど、一方で、カリスマ的リーダーを待たなくても、
自分たち一人ひとりが変革の主役になれえてしまう、そんな可能性のある時代でもあるのだ。

だからこそ「現代の日本は最高に面白い」と、米倉先生は言う。


自分たちがやるべきこと

自分たちが起ち上げたクロスフィールズという組織が成し遂げようとしているのは、
留職という仕組みによって、日本の大組織で働く人たちを、
「社会の未来と組織の未来とを切り拓いていく変革のリーダー」に変えていくことだ。

閉塞感のある社会や組織、さらには既成概念といった枠を超える経験を提供することで、
「創発的変革」の主役となるリーダーたちを創っていくことが、僕たちのミッションだ。

米倉先生のようなカッコいい大人たちと一緒に、
あきれるほどに前向きに、そして我武者羅に、日本の未来を創っていきたい。

そんなことを、この本を読んで改めて強く誓うことができた。
オススメの本です。

米倉誠一郎先生との写真
(米倉先生と、先生の研究室にて)

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715
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