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テクノロジーで社会課題を解決するために

実はいま、国際協力や社会貢献の分野でのテクノロジーの活用が世界的に話題になっている。たとえば、VRを活用してシリア難民の生活を体感する再現する活動を国連が実施していたり、また、ブロックチェーンを活用した難民キャンプでの食料配給などが行われていたりする。

そんな背景もあり、先日、国際協力NGOセンター(JANIC)の理事として、「国際協力業界でのブロックチェーンの活用」をテーマにした勉強会を主催させてもらった。20人くらいの経験豊富な国際協力NGOのリーダーたちが集まるとともに、そこに株式会社カルミナの安藤翔太さんというテクノロジー分野の専門家をお呼びして意見交換を行うという、日本においてはかなり画期的な企画となった。

プレゼンテーション1
↑株式会社カルミナのウェブサイト


参加者がブロックチェーンについての基礎的な理解を深める有益な機会になったし、ブロックチェーンをどのように国際協力や社会貢献の分野に活用するかについて、大いなる可能性を感じることができた場だったと思う。

個人的には、「ブロックチェーン=仮想通貨」のイメージが強かったものの、この分野においてはブロックチェーンのID認証としての機能が効果的だと知れたことは、目からウロコだった。たとえば、ブロックチェーンにより不特定多数の分散化された集団によって難民の人たちがIDの認証を受けることができれば、それは、これまで国家という権威に存在を認めてもらえなかった人々がその存在を世界に認知されるということを意味する。これはとても夢のある話だと、素直に思った。

もちろん、ブロックチェーンは発展途上の技術であり、実社会での活用はまだまだ始まったばかりという段階だ。これからどのように活用が進んでいくかは、まだまだ不透明な部分も多い。でも、だからこそ、国際協力や社会貢献の業界としては、こうしたテクノロジーの活用に対してアンテナを貼っておく必要があるように思う。

と、ここで一つ疑問がある。

こうした時代背景のなか、NPO/NGOのリーダーたちは、最先端のテクノロジーを必死に勉強して積極的に事業に活用していくべきなのだろうか。

僕の答えは、いまのところNOだ。

なぜなら、それには莫大な時間がかかるし、非効率だと感じるからだ。むしろ、テクノロジーに精通した人材、特にテック系のスタートアップ企業を率いる起業家の方々に、国際協力や社会課題解決の世界に入ってきてもらうほうが圧倒的に近道だと考える。

幸いにして、同世代のスタートアップの経営者たちと話をしていると、その目線の先には、自分たちのサービスやプロダクトを使っていかに金儲けをするかではなく、むしろ「いかに社会を変えられるか」が目指されている。つまり、スタートアップの経営者と、国際協力や社会貢献のリーダーたちの世界観は近づいているのだ。

だからこそ、NPO/NGOの業界としていま重要なのは、自分たちでゼロからテクノロジーを勉強していくことよりも、もっともっとスタートアップ界隈の経営者の方々と仲良くなって、彼ら/彼女たちを社会課題の世界に引き込んでいくことじゃないだろうか。

たとえば、スタートアップ企業の優秀なエンジニアの方々向けに途上国の農村でハッカソンを開催したり、あるいは、スタートアップの経営者がNPO/NGOのリーダーたちとが特定の社会課題の解決に向けたディスカッションの場を設けるなど、打ち手は無限にある。これからは、そんな活動が求められていくんではなかろうか。

…というわけで、スタートアップ界隈の友人の方々、僕が急にわけのわからない話をし始めるかもしれないことを、どうかお許しください!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715
※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。
※ 2016年9月2日(金)に初の著書が発売になりました。
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