超ポジティブな「ワーク・シフト」の読み方

インド出張の移動時間を利用して、かなり前に買ったものの
読めていなかった「ワーク・シフト」を今更ながら読んでみた。


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉リンダ・グラットン


もう読んだ人も多いとは思うけど、この本は2025年の人々の
働き方の未来を予想するという、なかなか大胆な感じの本だ。

ストーリー的に語られているのでとても読みやすかったし、
自分は一体どう働いているかを考えたりするのも楽しかった。

そして、都合よく読んでるだけの可能性は高いけれど(笑)、
僕たちクロスフィールズがやろうとしていることは
極めて正しいと太鼓判を押されたような、そんな気分になった。

そんなわけで、備忘録も兼ねて、微妙に自分に都合の良いように解釈しつつ、
本書の提唱する「働き方の3つのシフト」をごく簡単にメモしておきたい。


1.孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ

・イノベーションは、特定のグループや政府・企業が単独で起こすのでは
 なく、異なる専門技能や価値観、意見を持つ人たちがアイデアを共有し、
 それを発展させて起こしていくCo-Creationの時代に突入する

・競争志向の強いベビーブーム世代とは違い、協力志向がとても強い
 "Y世代(1980-1995年生まれで2025年に30-45歳になる世代)"が、
 2025年のCo-Creationの世界では中心的な役割を果たすようになる

・高付加価値な知識集約型の仕事は先進国から途上国にますます移り、
 途上国を拠点として、倹約型イノベーションが生まれるようになる

上の3つの事象は、どれもクロスフィールズが必死になって実現しようと
している未来の姿だ。「留職」というのは、企業とNPOという異なる
アクターを結びつけてイノベーションを起こす取り組みに他ならない。
それに、留職で派遣するのは「Y世代」の企業人で、派遣先は「途上国」だ。


2.ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ

・2000年以降に生まれる子どもの半分以上は100歳まで生きるようになり、
 人々の職業人生は短距離走型から長距離走型に変わっていく

・ここで求められるのは、様々な要素がモザイク状に入り組むキャリアだ。
 専門性を高めるために精力的に働く時期、仕事のペースを緩めて人生に
 ついてゆっくり考える時期、仕事を中断して勉強に専念する時期などを
 組み合わせ、生涯にわたり学習と自己研鑽を重ねていく必要がある

これもまた、一定期間本業を離れて社会課題の解決に取り組むという
「留職」の考え方をサポートしている(としか僕には考えられない...)。
事実、本書が描く2025年の世界では、自分の暮らしている地域とは別の
土地でボランティア活動を行う人が数多く描かれている。


3.大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

・マルクスが指摘したように、産業革命を機に労働者の利害はコミュニティ
 から切り離され、労働者から「自分の仕事」と「価値」の密接な結びつき
 が失われ、「お金を稼ぐために働く」という価値観が現れた

・先進国の多くの人は所得がこれ以上増えても満足感や幸福感は高まらない。
 2025年の世界に生きる人は、より高次な欲求である自己実現を達成するため、
 「充実した経験をするために働く」ことを、幸せの土台とするようになる

こちらもまた、クロスフィールズがビジョンに掲げる
「すべての人が"働くこと"を通じて、想い・情熱を実現することのできる世界」
という文言をそのまま言い表すかのような内容だ(としか僕には思えない...)。


…というわけで、この本が描いているような働き方をする人たちに溢れる
2025年の未来がやって来ると思うと、なんだかすごく待ち遠しい気分です。

ただ、僕が切り取った部分だけ読むと随分ポジティブな内容の本のように
見えるかもしれないけれど、実は悲惨な未来の姿も沢山描かれていたりして、
ネガティブ思考の人が読めば相当に暗い気分になる内容だったりもする。

でも、だからこそ僕たちは「留職」の事業をとにかく頑張る必要があるし、
それによって2025年の未来が明るくなるはずだと、思っちゃったりするわけです。

と、そんなことを考えて勝手に気持ちを高ぶらせている、インドの夜なのでした。


NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。

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【連載第3回】サムスンを超えるIBMの人材育成

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さて、苦しみながらなんとか書いている東洋経済オンラインでの連載ですが、
僕の年末年始の休暇を捧げた(笑)第3弾を無事に公開することができました。

サムスンを超えるIBMの人材育成
MBA派遣からNPO派遣へのシフト


IBMによる「留職」の取り組み

今回はクロスフィールズが留職と呼ぶ取り組みを、既にグローバルで
大規模に実践する"IBM版青年海外協力隊"の取り組みを紹介しました。

「企業の人材育成は『先進国MBA派遣』から『途上国NPO派遣』にシフトしている」
という、かなり思い切った論調で書いてみました。よろしければ、ぜひご覧くださいませ!

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小沼大地(@daichi0715

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※ 当記事はNPO法人クロスフィールズ代表小沼の個人的著述です。

2013年の漢字は「輪」でいきます!

起業を考え始めた2010年くらいから、
1年間のテーマを漢字1文字で決めることにしている。

2010年は「徹」で、2011年は「感」だった。

昨年2012年は、「誠」という漢字を掲げていた。
(当時の意気込みを知りたい物好きな方はこちらへ)

去年を振り返ってみると、ほぼ満点といってもいいくらいに、
この「誠」という漢字に恥じることなく、あらゆる局面で、
団体のミッションや自分として大事にしたい価値観に対して
常に誠実に向き合って、行動することができたと思う。

2012年は事業が色々な広がりを見せた充実した1年だったけど、
実は「誠」に過ごし切れたことが、何よりも嬉しかったりする。


さて、2013年。今年はどうするかちょっと悩んだのだけど、
今年は「輪」という漢字を掲げて1年間を過ごそうと思う。

ここ数年、かかわりを持たせて頂く人の数が公私にわたって一気に増えた。

昨年の初詣には共同創業者の松島とたった二人で初詣に出かけていた
クロスフィールズも、今は10人近い仲間たちが働く組織になっている。

留職という取り組みに賛同して実際にアジア新興国に赴く
企業人の数も今年は10人を遥かに超えるだろうし、その人たちが
派遣される各国のパートナー団体との関係も、一気に拡大する。

それに、さまざまな人との出会いに恵まれ、家族や友人たちだけでなく、
本当に多くの方々が僕たちの事業を応援して下さるようになっている。


今年は、こうした人たちとの「輪」を、とにかく大事にしたいです。

自分が属する色々な「輪」に感謝して、その輪が「幸せな輪」であることに
とことんこだわって、1年間を過ごしていきたいと思っています。

そんなわけで、どうか今年も、よろしくお願いします!

初詣
昨年クロスフィールズに加入した熱き男、大原学と(平成25年1月4日@目黒不動尊)


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