社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた

久々に、読んでいてワクワク感が抑えられなくなる本に出会った。

社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた
~マッキンゼーでは気づけなかった世界を動かすビジネスモデル「WINの累乗」~


社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた

著者は、TABLE FOR TWO International代表理事の小暮真久さん

小暮さん


僕にとっては、前職マッキンゼーの先輩でもあり、NPO経営者としての
大先輩でもあり、そして、クロスフィールズのアドバイザーとしても
いつもお世話になっている、心から尊敬する兄貴分のような存在だ。

そんな彼が今回書いた本書は、だいぶおこがましい表現だけれど、
僕が世の中に発信したいと常々思っていることがそのまま
書かれていると感じてしまうくらい、共感を覚える内容だった。

彼の前著である『「20円」で世界をつなぐ仕事』は、多くの人に
いわゆる”社会起業家”という生き方を訴えていたように思うけれど、
(実際、僕の起業にもこの本は大きな影響を与えてくれた)
僕からすると、今回の本は会社員向けに書かれていると思うので、
ぜひとも一人でも多くのビジネスパーソンに読んで欲しい。


僕のつたない説明では力不足かもしれないけれど、
本書で提唱されている「5C」というフレームワークを簡単に紹介したい。

ビジネスの世界でよく使われるのは、「3C」というフレームワークだ。

これはCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)
という3つのCを表していて、民間企業がビジネス環境を
分析をする上でよく用いられる経営の教科書的な考え方だ。

今回小暮さんは、大胆にもこの3Cというフレームワークに
変わる「5C」という新たなフレームワークを提唱しているのだ。

最初の2つのCがCompany(自社)Customer(顧客)なのは変わらない。
ところが次はCompetitor(競合)でなくCooperator(提携・協業者)で、
更にContributor(出資者)Community(一般社会)が加えられている。

そして小暮さんは、この5つの領域それぞれにWinをつくることが、
これからのNPOにも民間企業にも共通する大事な戦略だと主張する。

5Cの図

本書ではこの「5C」の概念が小暮さんの経営するTABLE FOR TWOの
事例になぞって見事に解説されているが、せっかくなのでここでは、
僕の経営するクロスフィールズ(以下、CF)に当てはめて考えてみたい。

◆Company(自社)◆
CFの事務局で働く従業員や、活動を応援してくれるボランティアや
サポーターの方々を指す。「自社」というより、「仲間」という表現の方が
しっくり来るかもしれない。この仲間たちがCFの活動にかかわることで
ハッピーになっているかどうかが、Companyという領域でのWinだ。

◆Customer(顧客)◆
「留職」プログラムという事業で考えると、CFにとっての顧客とは、
プログラム参加者、参加者を送り出す企業、そして受け入れ先NPOという
3者が存在している。この3者それぞれがWinを感じられるように
プログラムを運営することが、3者を繋ぐCFが果たす最も重要な役割だ。

◆Cooperator(提携・協業者)◆
CFのような小さな組織が全ての事業プロセスを自社で行うのはもちろん
無理なわけで、様々な団体・企業と連携していくことは必要不可欠だ。
加えて、「留職」という新たな価値観を世に打ち出すためには、
自分たちだけで打ち出すのではなく、想いを同じくする多くの人たちと
一緒になってムーブメントをつくる方が圧倒的に効率もいいと思う。
類似の事業を行なう組織を競合と捉えて自社だけがWinを得ようとせず、
提携・協業者と捉えてWinを分かち合うことが大事なんだと思う。

◆Contributor(出資者)◆
企業では株主が出資者なわけだけど、NPOでは寄付者が出資者にあたる。
CFでも、個人や企業の方々から定期的に寄付を頂いて活動を支えて
頂く賛助会員の制度はとても重要だし、ETIC.さんSVP東京さんには
事業の立ち上げ期に助成金を頂くことで、事業を加速させることができた。
NPOは企業と違って出資者に金銭的なお返しをすることはできないので、
ミッション達成に向けて事業が進んでいることを丁寧に報告することで、
出資者に社会的リターンというWinを提供することが大事だと考えている。

◆Community(一般社会)◆
CFの活動は関係者の中で閉ざされたものではなく、一般社会に広く
開かれた活動であることを心がけている。なぜなら、社会の認識や
価値観を変えてこそ、僕たちの活動には意義があると考えているからだ。
「留職」の取り組みを通じて、日本社会のなかに「社会課題の現場で
情熱を持って働く経験は人と組織を変える」
という認識を広めたいし、
「『働くこと』と『社会を良くすること』は深く繋がっている」という
価値観が組織で働く人たちの間に広まることで、そうした価値観のもとで
日本社会に生きる人たちがハッピーになることが、究極の目的だ。

そして、小暮さんいわく、この5つの領域は有機的な繋がりを持っていて、
ある場所でWinを生み出せば、それがまた別の領域でのWinにつながる。
これが、小暮さんが提唱する「WINの累乗」という考え方だ。


というわけで、上手く説明できたかは分からないけれど、
この記事に興味を持った人は、ぜひこの本を読んでもらいたいと思う。

本当に、オススメです!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715
スポンサーサイト

NGOユイマールの挑戦と太陽のコンサート

いまだに違和感は消えないのだけど、最近は自分も人前で
講演やプレゼンをさせて頂く機会が多くなってきた。

自分が話をしている瞬間というのは、少なくともその瞬間は
その場にいる方々の貴重な時間を独占しているというわけで、
自分が話すことで少しでも何かしらの刺激やら気付きやらを
与えられないかと試行錯誤をする日々が続いている。。。

ただ、人前で共感を呼ぶっていう観点では、どう転んでも
この人には絶対にかなわないなぁと思う人がいる。

彼女の名前は、照屋朋子

照屋朋子

NGOユイマールという団体の代表を務める若きNGO経営者だ。

子どもが夢に向かって歩める社会を世界中で実現すべく、
いまはモンゴルのマンホールチルドレンを救う孤児院
「太陽の子ども達」を運営し、目覚しい成果を上げている。

僕が最初に彼女と出会ったのは、ある団体のイベントで
彼女がプレゼンしているのを聞かせてもらったときだった。

彼女の小さな身体から発せられるパワーに、
文字通り、雷に打たれたような衝撃を受けたのを覚えている。

彼女がNGOユイマールを立ち上げるに至った背景、
様々な苦難を乗り越えて活動を継続してきたプロセス、
そして何より、活動で変わった子どもたち1人1人の物語。

その全てが、直球で胸に訴えかけてくる。

僕はいま彼女とはすごく親しい友人になっていて、
彼女のプレゼンは色々なところでもう10回くらい聴いている
気がするけれど(笑)、毎回毎回泣かされてしまうくらいだ…


きっと僕が下手な文章で彼女の活動を伝えようとしても
上手くいかないので、まずはぜひ、この映像を見てほしい。





・・・どうでしょう?
彼女の想いと、彼女の起こした奇跡が垣間見れたんじゃないかと思う。

でも、冒頭にも書いた通り、彼女の凄みは何と言っても彼女自身が
発する言葉なわけで、個人的にはやっぱり彼女の話を生で聴いてほしい。

そして、そんな彼女のパワーとNGOユイマールの活動を体感できる
絶好の機会がある。なんと、彼女率いる孤児院「太陽の子ども達」の
子ども達が、11月に日本にコンサートのためにやってくるのだ。


太陽のコンサート2012

太陽のコンサート公式ウェブサイト2012


コンサート当日は、照屋代表の熱いスピーチも聴くことができ、
子ども達のプロさながらの感動の演目を観れるという豪華な内容だ。

なお、このコンサートはNGOユイマールの大事な資金源になっていて、
このコンサートの収入によって、これからのユイマールの活動や
子どもたちのこれからの未来が変わってくるといっても過言ではない。

このコンサートを色々な人に知ってもらいたい人は、ぜひコチラへ。

ちなみに、僕も11月13日(火)の銀座開催の会を観に行く予定です。
観に行く皆さん、ぜひ会場でお会いしましょう!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

「教育」よりも「共育」 ~ある若手社員の方々に教えられたこと~

僕は昔から教師という職業につきたいと思っていて、
実は社会科や地歴・公民の教員免許を持っていたりもする。

そんなわけで、教育には個人的にすごく思い入れを持っていて、
クロスフィールズが展開している「留職」をはじめとした事業も
"ヒトづくり"という点では、実は広義の「教育」だと考えてきた。

でも、ここのところ、「教育」という言葉と自分たちの事業には
少し違いがあるのではないかとも、思うようになってきた。


先日、ある企業さんで3ヶ月間に渡って実施させて頂いた
BOP層の課題解決に向けたワークショップが無事に終了を迎えた。

実はこの取り組みには、個人的には特別な思い入れがあった。
それは、このワークショップをゼロから一緒に考えてきたのが、
この企業に務めている若手社員の方々だったからだ。

その方々とはじめに出会ったのは、クロスフィールズが
初めて企業向けのフォーラムを開催した1年ほど前のことだった。

正直なところ、出会った時の印象としては、僕の目から見ても、
どことなくまだ頼りない部分があるなぁという感じだった。
でも一方で、強い問題意識とブレない軸を持っていたのが印象的で、
将来一緒に何かをできるかもという直感があったのを覚えている。

それからしばらく経って、あーでもないこーでもないと話をする中で、
まずはワークショップ実現に向けて一緒に走り出そうということになった。

そこからの彼ら・彼女たちの行動力と突破力には、すごいものがあった。

社内のキーマンを次々に口説き落として僕たちに紹介して下さったり、
BOPビジネスをテーマにした講演会を社内で企画して下さったり、
そして多くの賛同者を集めて、遂にワークショップを実現させたのだ。

さらに、先日連絡があって、今回のワークショップで出たアイデアが、
なんと社内のビジネスプランコンテストで優勝したということだった。

中心メンバーの一人からこの喜びの報告を電話で受けた時には、
僕自身もすごく興奮して、本当に涙が出るくらいに嬉しかった…


それにしても、今回のこのプロセスにおいて、正直僕たちがしたのは、
若手社員のチームがイキイキと全力で走っていくのに、
ただただ遅れないよう、必死で伴走をするということだけだった。

この1年間で彼ら・彼女たちは見違えるほどに大きくなったし、
お世辞ではなく、会社の雰囲気や風土にも大いに影響を
与えるような存在にまでなってきているんじゃないかと思う。

そして、自分たちとしても、こんなことが起こるとは1年前には
想像もしていなかったわけで、彼ら・彼女たちが成長していくことで、
自分たちも事業に自信が持てるようになり、視野を広がることができた。


だからこそ、僕たちの事業は"教えて育てる"という「教育」ではなく、
”一緒になって共に育つ”という意味で、
「共育」という言葉がピッタリじゃないかと、勝手に思っているのです。

「教育」よりも「共育」。

そんなスタンスで、これからも事業をやっていこうと思います。

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715

最前線で社会の課題に挑む ~みちのく仕事マッチングフェア~

僕たちクロスフィールズが展開する新興国「留職」プログラムは、
日本企業のビジネスパーソンが発展途上国のNPOに入り込んで
社会課題に取り組むというモデルが基本になっている。

でも、実はこれは現段階の話であって、将来的にはもっと
たくさんのパターンの「留職」を展開したいと思っているし、
そんな動きが日本社会にどんどん増えればいいと思っている。

なぜなら、国外であれ国内であれ、社会課題の最前線での挑戦こそ、
新しい価値を生み出すための近道だと僕は信じているからだ。


たとえば、厚労省の役人がNPOフローレンスのような子育ての課題に
先進的なアプローチで取り組む団体に「留職」すれば、その官僚は
役所に戻ってから素晴らしい取り組みの横展開に取り組むはずだ。

また、自治体の福祉担当者が地域の老人ホームに「留職」すれば、
そこで目の当たりにした地域の課題をもとに、もっと市民の
ニーズを汲み上げた制度の設計をするようになるはずだ。

更に言えば、企業の人間にだって、国内での「留職」は価値がある。

たとえば医療機器メーカーの研究者が過疎の進む村の医療現場に
「留職」すれば、これまでとは全く違うアプローチで診療活動が
できるような革新的な製品を生み出すことに繋がるかもしれない。


"先進的"な社会課題を数多く抱える日本とは、ポジティブに言えば、
難しい社会課題を解決するチャンスに最も恵まれている環境なわけだ。

実は起業前の構想段階では「留職」プログラムを「青年国内協力隊」
名付けようとしていたのだけど、それはこうした想いから来ていたりする。


そんな国内の社会課題の最前線で挑むチャンスは、いまどこにあるか。
そう、被災地である東北には、そうした機会が本当にたくさん眠っている。

そして、そんなチャンスを一挙に紹介するイベントが、
来る11月3日(土)に東京にて開催される。

みちのく仕事マッチングフェア
「みちのく仕事マッチングフェア2012」

このイベントは、僕たちクロスフィールズもお世話になっている
NPO法人ETIC.さんが運営する「右腕派遣プログラム」の一貫で、
沢山の素晴らしい挑戦の機会に出会えることは、間違いないと思う。

思えば僕の尊敬する友人たちにも、様々なかたちで東北での
被災地支援の仕事に挑んでいる人が驚くほどに多いけれど、
それは、東北にこそ未来があると感じているからなんだと思う。

というわけで、気になった皆さんは、ぜひ11月3日(土)のイベントへ!

NPO法人クロスフィールズ
小沼大地(@daichi0715
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。