Room to Read

日本でも多くのサポーターと寄付を獲得している教育系NPOのRoom to Readも、他の多くの有名NPOの例に漏れず、ここサンフランシスコに本部を置いています。

そのRoom to Read(RtoR)が年に1回のファンドレイジングイベントを行うという情報をキャッチし、セレブな雰囲気の漂う会場に、例によってジーパン姿で潜入してきました。せっかくなので、おそらく世界でも屈指のファンドレイジングイベントについて、備忘録的にご報告します。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になったマイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
(2007/09/21)
ジョン ウッド

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①会場の雰囲気

まず、参加者は200人程度。30代後半から50代くらいの人が中心で、ドレスアップしている人も多かったです。ちなみに会費はVIPが$125、一般$50と分かれています。僕は当然「一般」にて参加しましたが、VIPは前入りしてジョン・ウッドさんとの会話が楽しめたらしいです。

会場はサンフランシスコの一等地であるCivic Centerの横のオペラハウス。テラスもある、非常に素敵なところでした。

会場②

会場①

こうしたセレブ感が漂う一方で、会場にはボランティアが至るところにいて、この会がボランティアの協力によって成り立っていることが参加者に伝わってきました。これによって、会場にある種の温かみも感じられた気がします。泥臭すぎず、また上品すぎない、この辺のバランスが上手いなぁと、感じました。

ちなみに会場では、美味しそうな食べ物とワインがボーイさんによって振舞われます。写真は今日のイベントのためにラベリングされたRtoRオリジナルワインです。

RtoRワイン

②ジョン・ウッドさんのスピーチ

上の本の著者でありRtoRのFounderでもある彼も、当然会場に姿を現していました。カリスマ的なオーラがあるというよりは、温厚な人柄といった印象の彼ですが、スピーチはとても上手かったです。正味20分くらいのスピーチで、観客を魅了していました。

印象的だったのは、とにかく子供たちの写真を効果的に使うこと。それから、数字(設立した学校の数、寄付学などなど)を畳み掛けるように使って、とにかく成果が出てることを強調していること。特に、カーネギーを引き合いに出して、「彼がアメリカ中に2500の図書館を建てたように、RtoRは世界中にxxxxの学校を作る!」といったシーンはインパクトがありました。(すみません、数字覚えてません。。。)

カーネギー

ただ、その一方で、あまりプロジェクトの詳細には触れない、という印象も受けました。これは会場の6-7割くらいが初めてRtoRのイベントに足を運んだ人たちだったからかもしれませんが、個人的にはちょっとした消化不良でした。子供たちの笑顔というビジュアルと、圧倒的な数字とに、どこか誤魔化されているような感覚を覚えてしまいました。このあたり、日本のNPOは一般的にもっと詳細を説明している気がします。まぁ、良し悪しですね。

③ファンドレイジングの仕掛け

さて、肝心のファンドレイジングですが、基本的にはオークションがメインでした。会場の至るところにある帳簿にサインして入札する形式と、実際に会場全体で競りのような形で行われる形式の2パターンがありました。

オークション

圧巻だったのは、競り形式のオークション。なんとジョン・ウッド本人がauctioneer(オークションの司会)をやっていました。これには本当に驚きました。そして、これがまた本当に上手い!ワインなどを中心に、$5,000くらいの値段がバンバンついてました。。。夫婦や友人同士で来ている人が多く、互いにいいとこ見せようと張り切ってトンでもない値段がドンドンついていくんです。。。



このエンターテインメント性の高さは、スゴいの一言です。。。

ただし、auctioneer立会いでの競売形式は既存の日本のNPO支持層には馴染まないようにも思います。日本人には、まだ金持ちの道楽としてのイメージが強く、きっとこれを日本でやったら一部の人からは批判も噴出するんじゃないでしょうか。。。

とはいえ、日本にもこうしたファンドレイジングを求める層も間違いなくいるわけで、こうした形式もターゲットに応じて取り入れていくべきとも思います。お金持ちからどれだけ寄付を獲得できるかは、当然ながら重要です。

にしても、代表がここまで先陣を切ってファンドレイジングをやってる団体、なかなかないですよね。

+++++


と、備忘録はこんなところでしょうか。

いやぁ、それにしても、かなり勉強になりました。
$50分くらいのワインは飲んだ気もするし、十分にお金を払った価値のあるイベントでした。

NPOインターン開始

「One Economy」という、ITを用いた低所得層のエンパワーメントをしているNPOで、
Intern Associateというポジションで働かせてもらうことになりました。

低所得地域にブロードバンドを普及させるというハード面の支援に加え、
簡単に使える生活情報サイトの提供や、地域でのITリテラシー向上に向けた研修
などといった、ソフト面での支援活動にも力を入れている団体です。

オバマ大統領をはじめとした多くの政治家、そしてIT系を中心とした数々の企業の支援を受け、
年間の予算は1200万ドル(約12億円)にも達します。スタッフも200名近くいるらしいです。

one-economy
One Economyのホームページ

このNPOで、新規事業立ち上げに向けたビジネスプランを何本か書くのが、自分の仕事です。

週20-30時間っていう限られた時間の中で、ITっていう未知の領域において、
かつ、英語でキッチリと価値を発揮しないといけないので、なかなかプレッシャーも感じています。



社会起業家系のイベントに飛び入り参加した時にここのスタッフと意気投合し、
そのまま強引にインターンをさせてもらうことになったという、かなり奇跡的な巡り合わせです。

ともあれ、アメリカのNPOで働くことにはずっと前から憧れていたので、とてもとても、嬉しいです。

この、自分にとってはちょっとした憧れの舞台で、一生懸命、働きたいと思っています。
日々の業務を通じて、色々なことを吸収していくつもりです!

ビジョナリー・カンパニー【特別編】

日本にいるときに買って溜まっていた本を、結構な勢いで消化している。
やっぱり本から得られる知識は大きいなぁと、そんな当たり前のことを実感する毎日です。

面白かった本を、ちょっと紹介。

ビジョナリーカンパニー【特別編】ビジョナリーカンパニー【特別編】
(2006/06/22)
ジェームズ・C・コリンズ

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学生時代には『ビジョナリー・カンパニー2-飛躍の法則』を読んで
大変感銘を受けたのだけど、この本はその社会セクター向けの特別編です。
本編に比べるとあまり知名度はないような気がするけれど、
シンプルな言葉で、核心に迫る内容が沢山書かれた、名著だと想います。

印象に残ったのは、以下の部分。

決定的な違いは企業セクターと社会セクターの間にあるのではない。偉大な組織と良好な組織の間にあるのだ。社会セクターに『企業の言葉』を押しつける単純な方法を拒否し、企業セクターも社会セクターも偉大な組織の言葉を取り入れるべきなのだ。


自分も反省することが多いけれど、どうしてもNPO/NGOの成長を考えるときには
「民間企業では当たり前のことができてないのがイカン」
「NPOも早く民間企業並みの組織力を持たなければ…」
とかって言葉は、NPOの内側からも外側からもよく聞こえてきます。

でも、良く考えたら、それって大体の場合では間違っている気がします。
民間企業にもピンからキリまであって、駄目な企業から学んだって意味はないのです。

要は、コリンズ教授の言うように、「偉大な組織」であるかどうかが鍵です。
民間企業だとかNPOだとか任意団体だとかの形態にとらわれず、
「これはスゴい!!」って組織から何かを学ぶって姿勢が、重要なわけです。

とにかく、かなりオススメの本です。
ちなみにコリンズ教授はまだ追加研究を続行中だそうで、続編も出るらしいです。

うーん、楽しみ。

追記;
全然関係ないですが、大学時代の部活の後輩が、宿敵チームを撃破しました。
とてつもなく、幸せな気分です・・・